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調理師になるため沖縄に渡り、そして帰ってきた男の記録(主に食べ物日記)
by harumaki-33
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スーチキージシ
沖縄料理には豚肉を美味しく食べる方法がたくさんあります。
そのなかで、たった1つだけ選べ! と言われたら、僕はスーチカーを選びます。
もちろんラフテーも好きですが。好きだけど!(><

スーチカー、またはスーチキー。
より正確にはスーチキージシと言います。
スーチキーとは「塩漬け」のこと。
ジシ(シシ)は肉のことで、スーチキージシとは塩漬け肉のことです。

そのものずばりの料理で、生の豚肉に塩を擦り込んで保存します。
それを食べたいときに食べたいだけ切り取り、塩抜きし、茹でたり焼いたりして食べます。
その味は、まさにシンプル・イズ・ベスト! 肉本来の味を堪能できる一品なのです。
(だから肉がマズイと、仕上がりもマズイ)



■材料
豚バラブロック(可能なら皮付きのもの、また脂身は少ないほうが良い)……400g
粗塩(出来れば良いもの)……20g~30g(肉の5%~7%くらい)

■下ごしらえ
1)豚肉を流水で洗い、キッチンペーパーでしっかり水気を取ります。
2)分量の半分の塩を肉にまぶし、手でずりずりと擦り込みます。
3)バットなどに置き、少し傾けて一晩置いておきます。


4)水(ドリップ)が出るので捨て、残りの塩をまぶしてさらに擦り込みます。
5)タッパーなどに入れ、冷蔵庫で1週間ほど寝かせます。その際、少し傾けておき、出てきたドリップを1日ごとに捨てます。(2日目か3日目以降はドリップは少なくなっていきます)

■仕上げ
6)ドリップが完全に出なくなり、表面が白っぽくなっていればOKです(上の写真)。
7)食べたいだけ切りとり、流水で表面を洗います。ボールなどに入れ、水を細く垂らしながら、2~3時間ほど塩抜きします。


8)お湯を沸かし、肉を茹でます。沸騰した湯に肉を入れ、やや強めの弱火で12分ほど茹でます。
9)茹であがったらお湯は捨て(しょっぱくて飲めない)、肉を冷水で冷やします。
10)薄くスライスしていただきます。ポンズ、マヨネーズなどが合うと思います。



塩抜きの方法は何通りかあります。
水で洗った後、水からじっくり1時間くらい茹でる方法。
水は水でも、薄い塩水につけて、浸透圧を利用して塩抜きする方法。
僕は、スーチキージシはあまり茹ですぎないほうが美味しいと思うので、ここで紹介した方法を採用しています。
お肉の中心が、ほんのりピンクっぽい状態を目指しています。

繰り返しになりますが、沖縄豚肉料理のなかで、これが一番好きですね。
泡盛の肴に最高です。

このスライスしたやつを油をひかずにフライパンで焼いて、じりじりと脂が浮いたのを白飯の上に盛り、醤油、またはポンズをぶっかけ、薬味に刻んだネギなぞをパラパラとふる。
それらを飯と混ぜるようにして口に放り込めば・・・ヤバイですよ!
高校の山岳部時代を思い出すくらい、飯が進みます!

考えてみれば、和製……じゃなかった、琉球式パンチェッタ的な料理です。
塩抜きがやや手間ではありますが、お肉と塩さえあれば出来てしまいます。
ぜひ一度、この美味しさを試してみてください。

本日も、ご馳走様でした!

◎豆知識 沖縄の豚食
一口に沖縄料理と言っても、その中には大きく2つの流れがあります。
1つが宮廷料理、1つが家庭料理です。

沖縄にはかつて450年続いた琉球王朝があり、宮廷のなかでは中国の使者や日本の役人をもてなすための豪華な料理が研究されていました。
対する庶民の料理は、非常につつましかったと言います。
亜熱帯に属する沖縄の厳しい自然のなかで、限られた食材で最大限の栄養を、出来るだけ美味しくいただく。
そのための創意工夫は家庭料理の中にあり、沖縄長寿食の礎は、まさしくそこに合ったのではないかと想像できます。
宮廷料理と家庭料理、この2つが合わさって沖縄料理なのです。

沖縄では古くから豚が食べられていましたが、現在のように、食べたいときに食べたいだけ、食べられたわけではありません。
一般の家庭ではお正月やお盆など、年に1回か多くて2回、大切な日に豚をつぶし、それも1頭を隣近所数軒で分け合って食べていたそうです。
(大家さん談)

豚をつぶすと、内蔵や血など、保存の効かないものはすぐに食べ、いわゆるお肉の部分はスーチキーにしました。
たっぷりの塩をまぶし、甕に保存し、料理するごとに少しずつ切り出し、使っていたと言います。

「シーミー(清明祭)のときに1人2切れだけ、料理に混ぜないお肉だけのスーチキーを食べさせてもらえた。私はお肉は普段食べないけど、子供のときに食べたあのスーチキーがお肉のなかでは一番美味しかった」
・・・これは在沖時代、隣りに住んでいたAさんの言葉です。

沖縄はよく豚を食べる。
現在、たしかにそれは間違いではないでしょう。
ですがかつて、大事に大事に「いただいていた」時代がありました。
僕は沖縄に住んでそれを知り、改めて「いただく」ことのありがたさを学ばせてもらいました。

って言うか、余談長すぎ! 誰も読まねーよ!
サーセン!

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美味し~ヨ!
by harumaki-33 | 2011-07-19 23:57 | 沖縄料理のレシピ
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