人気ブログランキング | 話題のタグを見る

調理師になるため沖縄に渡り、そして帰ってきた男の記録(主に食べ物日記)
by harumaki-33
カテゴリ
全体
雑記
沖縄そばの作り方、レシピ
沖縄料理のレシピ
日本料理
西洋料理
その他の料理
レシピ(未分類)
食堂覚書
顎下腺腫瘍・覚書
===
授業覚書
食べ歩き
ぶらぶら記
検索
以前の記事
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


沖縄都市伝説? 軟骨ソーキの謎を追え!
本ソーキと軟骨ソーキ。
ソーキそばのソーキにも、2種類あるのってご存知ですか?

おそらく広く一般に知られているソーキとは本ソーキだと思います。
ソーキとは豚のアバラ骨についた肉……つまりスペアリブのこと。
硬いアバラ骨の周りについたお肉には、旨味がたっぷり!
沖縄そばの具になるほか、大根や昆布を一緒に炊いた「ソーキ汁」が有名で、
これがまた格別の美味さなのです。

それに対して軟骨ソーキ。
本ソーキと比べるとややマイナーですが、
こちらも沖縄そばの具として、広く親しまれています。
浅めに炊いたぽりぽりの軟骨。
徹底的に煮こぼしたトロトロの軟骨。
私はトロトロの軟骨が大好きで、自分でもよく作って食べています。
下茹でから仕上げまで4~5時間くらいかかりますが、
時間をかけただけの幸せは確実に味わうことができるんです~。

けど本ソーキがスペアリブなら、軟骨ソーキってどこの肉なんでしょう?
皆さんはご存知ですか?

ここで1つ、実しやかに語られている……
ちょっと気味の悪い沖縄の都市伝説を紹介しましょう。

そもそも豚のなかに、軟骨ソーキなんて部位はないっていうんですね。
じつはあれは、豚の肉ではないんだよ……という話。

一説には犬の肉だと言う話。
一説には食用ネズミだと言う話。

私が好きでよく行く沖縄そばの店があります。
何年か前、観光で泊まったある民宿のオーナーにその店の話をしたんですが、
そこのオーナーが急に顔をしかめて、「あそこのソーキって犬の肉なの、知ってた?」
……と。

そりゃー、びっくりしましたよ!?
まぁでも、犬肉は韓国料理として食べたことあるし、
そこの店は本当に美味いソーキを食べさせてくれるので、
もし仮に万が一、それが犬の肉であっても自分としては問題ないのですが、
なんだかちょっと嫌な話じゃないですか。
けど、本当らしく聞こえる話ではあったんです。

「あそこの店だけじゃなくてさ。軟骨ソーキが豚の肉じゃないのよ。
私が子供の頃(オーナーは当時50歳くらい)、軟骨ソーキなんて見たことなかったの。
おかしいでしょ? ここ最近なのよ、軟骨ソーキなんて見るの」

ジャンジャンジャーン!(←火曜サスペンス劇場の音楽)

嘘だ~。と思っても、どうにもモヤモヤした感じが取れない。
くだんの店に行って「やっぱ、美味いよなぁ!」と思っても、
店を出ると「でも……そうなのかなぁ」と思ってしまう。

自分がよく行くお肉屋さんに行っても、
「この肉って犬の肉なんですか?」なんて聞けないじゃないですか?
別に美味いんだから、犬の肉でもいい。

けど、やっぱり気になる!

……というわけで、自分なりに調べまくって、やっと真実がわかりました。
長い前フリでしたが、どどんと真実を公開しましょう!!
じっちゃんの名にかけて!(←古い)

○結論

軟骨ソーキは、豚の肉です。
アバラ骨の周りの肉が本ソーキ。
軟骨ソーキはどこの肉かというと、アバラ骨の先に位置する軟骨と、
その周りの肉のことだったんです。

実しやかに聞こえた民宿のオーナーの話。
オーナーが子供の頃は「軟骨ソーキなんてなかった」というのは本当で、
それには沖縄の「本土復帰(昭和47年)」が関係していました。

沖縄では古くから豚肉を食べる文化がありました。
それこそ「豚は鳴き声以外は全部食べる」と言われるほどです。
頭、顔、首、胴体、皮、足、尻尾に内臓。
硬い爪はさすがに食べなかったようですが、
食べられるところは本当に余すところなく食べる。
なんと素晴らしい食への貪欲さ!

と、話が逸れましたが、古くから豚を食べていた沖縄には、
沖縄独自の豚の解体法がありました。
しかし昭和47年の本土復帰を契機に、豚の解体法が本土式に改められていったのです。

それ以前は、ソーキは本ソーキも軟骨ソーキも区別なく、
同じ部位として処理されていました。
だから「ソーキください!」というと、今でいう本ソーキも軟骨ソーキも、
一緒くたに混ざった状態で売られていたのです。

片や本土式の解体法では、本ソーキと軟骨ソーキは切りはなされ、
本ソーキ……すなわちスペアリブの部分だけが商品となっていました。
沖縄の人たちは、解体法を本土式に変えても、軟骨の部分を捨てることなく、
軟骨ソーキとして提供し続けていた。……ということだったんです。

どうです、なるほど! でしょう?

って、軟骨ソーキに対して疑問に感じたことのない人にとっては、
割りとどーでもいい話かもしれませんが。

謎がとけてすっきりの秋の夜。
これでなんの憂いもなく明日もまた、自分が目指す軟骨ソーキそばを夢見て、
泡盛と一緒に深ける夜なのでした。
by harumaki-33 | 2006-10-21 01:08 | 雑記
<< あめ色玉ねぎの作り方 沖縄そばの日! >>